兵庫県　神戸市　W様　ランドローバー　ディスカバリー3

今回はエンジンアイドリング時の振動と

エンジンチェックランプ点灯の診断修理でご入庫いただきました。

故障コードの読み出しから行いました。

前回ご入庫時は2番シリンダーのミスファイアが入力されていました。

前回は不具合箇所のみの処置だったため今回は別の4番シリンダーに不具合が起こったようです。

コイルの不具合を明確にするためにパラメータを確認中です。

カウンター表示を見ると明らかに4番シリンダーにミスファイアが起こっています。

4番シリンダーコイルを2番シリンダーに入れ替え、再度ミスファイアカウンターを見るとカウンター表示が入れ替わっています。

この事から4番イグニッションコイルの故障と断定し部品交換させていただきました。

 入荷した新品パーツ

交換の為取り外し中です

パーツの新旧比較です。

交換後です。

この後エンジンの振動は改善され、試運転を行いましたが快調でした。

試運転後、再度故障コードをチェックすると

新たに別の故障コードが入力されていました。

 P0174(空燃比に異常があり)とP0441(燃料タンク内の蒸発ガスの処理系統に異常あり)

の入力がされていました。この故障コードだけで不具合箇所を特定するには

範囲が広過ぎる為、診断費用の少ない箇所から点検していきました。

まずエンジンのエアダクトのバンドにゆるみが無いか、

エアを吸っている箇所が無いかを点検しましたが

この時点でははっきりとエアを吸っているような部分は見当たりませんでした。

さらにブローバイバルブを疑い良品と交換しましたが改善は見られず。

ブローバイバルブ（クランクベンチレーションバルブ）

物理的なエア吸い箇所の特定が出来ないため、各センサーを点検していきました。

エアマスセンサー(吸入空気量を測定)の不良を疑い、良品と交換し故障コードの変化を観察。

故障コードは変わらず残留している為、不具合と関連性はなし。

次にO2センサーの点検をしました。

排気ガス中の酸素量が適正かどうかをモニターしているセンサーになります。

この車両には合計で4本装着されており前後左右入れ替え、

こちらも入れ替え後の故障コードの変化をみて、この部分に関連性があるか検証しました。

O2センサーはエキゾーストパイプに装着されている為車体下部からの作業になります。

画像の赤い印の部分がO2センサーです。画像は左リヤ側のO2センサーになります。

このパーツを前後左右入れ替えテスト。結果変わらず。

主なセンサー類には異常が見られないため、もう一度エアダクト類の点検に戻りました。

もう一度各所点検したところ、指で刺している部分にうっすらと亀裂を発見しました。

亀裂が表面的なものか貫通しているものか調べる為取り外しました。

取り外し、裏から光を当てると亀裂の深度が分かります。

貫通していた為ここから余分なエアを吸っていた可能性があります。

交換が必要ですが国内にパーツの在庫が無い為、

一旦応急処置的に亀裂をふさぎ、パーツが届き次第再入庫いただくこととなりました。

もう一つの不具合P0441についてですが、こちらは試運転を重ねるうちにたまに入力されている故障コードでした。

この不具合に関連性があるとされる燃料キャップを交換し、

次のご入庫まで様子を見ていただくこととなりました。

今回の作業レポートはここまでとなります。

ご入庫ありがとうございました。